デンマークの養豚に関わる企業を訪問
今回は9月下旬にデンマークへ養豚研修に行った記事の続編です。今回のデンマーク研修では種豚メーカー・プレミックスメーカー・機材メーカーなどの畜産にかかわるメーカーや、養豚コンサル会社にも訪問させていただきました。各訪問先で学んだことをまとめてみました。
【豚の育種改良について】
デンマークは世界的に見ても豚の育種改良が進んでいる国です。豚にはいろいろな品種がありますが、その品種ごとに重視する項目が異なり、それぞれ重視するパラメータ(増体重・飼料要求率・強健性・産子数・肉量など)を設定して改良を進めているとのことです。改良についてはすべて数値化して、どのような交配を行うか検討して進めていくとのことで、データを非常に重視している印象でした。
デンマークの豚は日本にも輸出されており、日本の生産者で興味をもっている人も多くいるとのことです。デンマークの豚は産子数(1回の分娩で生まれる子豚の数)がとても多く、常に改良が進められており日本でも導入する農場があります。
【デンマークにおける養豚成績】
先程も記載したとおりデンマークは世界的に見て育種改良に力をいれています。特に養豚において重要な数字である”1母豚当り年間離乳頭数”(母豚1頭が1年間で何頭子豚を離乳させたか)について、日本と比較してかなり多い頭数になっています。
これは育種改良によってより良い能力をもった豚が生産されていることと、農場における豚全体の管理がデータに基づき行われているためであると感じました。
【豚の管理について】
今回の研修会では改めて豚の飼養管理全般についての講義も受ける機会がありました。日本とデンマークでは豚や飼料などに違いはありますが、農場内における重要なポイントは同様です。特にデンマークは豚の管理に加えて数字の管理など、細かい部分までデータを取っている印象です。様々なデータを活用することで農場成績をあげています。
【養豚経営全般について】
養豚場の機械化やデータを重視した管理がされているデンマーク養豚ですが、どんなに良い豚や機械・コンピュータを使用しても管理する人間のマネジメントがしっかりしていなければ意味がないとのことです。やはり管理する人による観察が重要であると感じました。